金融

今円安が進んでいる理由は? 円安による私たちの生活への影響について

円高、円安など日々円の価値についてニュースが流れています。
ドルやユーロに対して、円の価値が日々1円よりもさらに細かい単位で動いています。

現在円が1ドル=115円(※2022年2月時点)であり、円安と言われています。
この円の為替でどのような影響出ているのでしょうか。

円の為替影響を受けた具体的な例として日本を代表する企業、
トヨタ自動車が為替の影響で、決算が前期比4,450億円営業利益をプラスとしています。
かと思えば今ガソリンが165円になるなど、原油の値段が高騰しています。

円高だと輸入が有利で、円安は輸出が有利と言いますが、
どのような違いがあるのでしょうか。

また私たちにとって、円高と円安どちらが良いのでしょうか。
詳しく見ていきたいと思います。

1ドル=115円は円安?円高?

円安と円高について、整備していていきましょう。
1ドル=100円と1ドル=115円があるとします。

どちらの方が円安でしょうか。
1ドル=100円の方が円安に見えますが、実際は1ドル=115円の方が円安です。

一瞬どちらが円安のか、分からなくなってしまいますが
1ドルの価値の表現として円が使用されていると考えると分かりやすいです。
1ドルを基準とし、その価値を測る単位として円で示しています。

では円安と円高の大まかな基準はどうなのでしょうか。
円安:80円~100円
円高:100円~120円

基本前日比まど基準に対して安いか高いかを判断しますが、
大まかには上記が目安となります。

為替の決まり方

では円の価値はどのように決まっているのでしょうか。
あなたは「東京外国為替市場」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ここは東京で円やドルなどの売買が行われているのですが
東京だけでなくニューヨークやシドニーなどにもこの外国為替市場は存在します。
この世界中の為替市場で各通貨が売買されており、円の価格が決められているのです。

もちろんドルが人気でたくさん買われれば相対的に円の価値が安くなります。
逆にドルの人気が落ち大きく売られる状況があれば、相対的に円の価値は高くなります。

一般的にドル安円安やドル高円高というのはあえりえません。
相対的に見たその通貨の価値となりますので、ドル高円安 か ドル安円高となります。

円高 円安のメリット・デメリット

では円高・円安のメリットは何があるのでしょうか。
逆にデメリットはどんな部分があるのでしょうか。見ていきたいと思います。

円高のメリット・デメリット

円高では他の通貨よりも円の方が価値が高い状態なので、外国の製品が相対的に安くなります。つまり輸入品が安くなるのです。

私たちの生活に関係するものとしては、石油やガスなどのエネルギーや食品などが挙げられます。円高だと身の回りのものが安くなるなどのメリットがあります。

逆にデメリットは、海外で稼いだお金を円に変える時円に変換できる額が減ってしまいます。
輸出で稼いでいたり海外に工場を持って海外で販売している企業は、
マイナスの影響を受けることとなります。

つまり円高は
▼私たちの生活にはプラス
▼企業にはマイナス
の影響を受けることとなります。

円安のメリット・デメリット

円安の場合はどうなのでしょうか。

基本的には円高と反対の影響を受けることとなります。

輸出を主に行なっている企業は、海外で稼いだお金を円に変換する際、
交換できる額が高くなりプラスの影響を受けます。
先程例を挙げたトヨタ自動車も輸出を大きく行なっているので、
円安の恩恵を受けることとなります。

円安のデメリットとして、輸入品は高くなってしまいます。
そのためガソリンやガス、外国の食材などが高くなり私たちの生活へ大きく影響を与えます。

円安は
▼企業にはプラス
▼私たちの生活にはマイナス
の影響を受けることとなります。

現在円安の理由

では現在円安の理由は何なのでしょうか。
大きく2つの要因が挙げられます。

アメリカの金利上昇

為替に影響を与える要素はいくつかありますが、円安が加速している要因として
アメリカの金利が挙げられます。

金利が高いほど、保有していた際のメリットが高くなり金利が低いほど
保有していた際のメリットが少なくなります。

現在アメリカは金利を上げる動きをしており、
ドルを保有していた際の恩恵を大きく受けられる状態となっています。

例えばアメリカの金利が1%の場合と日本の金利が0.1%の場合で
1万円保有していた際を比べてみましょう。

アメリカ
10,000円×0.01=100円の得

日本
10,000円×0.001=10円の得

金利の差は例となりますが、
同じ金額を保有してても金利が違うだけで10倍も変わってくるのです。

アメリカの金利上昇に伴いドルの人気が上がり、
買われていることで相対的に円が安くなっています。

金融政策の違い

2つ目の要因は、アメリカと日本の金融政策の違いです。

金利の話と繋がりがありますが、アメリカは金利を上げることで
金融の引き締めを行おうとしています。
これまでコロナウイルスによる景気への影響を最小限にしようとお金が動きやすい状況を作ってきましたが、お金が多くなりすぎ相対的に物価(物の価値)が高くなってしまいました。

この物価上昇を抑えるため、お金の動きを抑制する政策に出たのです。

逆に日本はどうでしょうか。
アメリカの動きとは反対にお金が動きやすくなるよう
金利が上がりすぎない政策を打ち出しました。

つまり引き続き金融緩和の政策を続行している状態です。
アメリカの金融引き締めを行った際お金が市場に出回りづらくなるので、
お金の価値が上がります。

逆に日本の金融緩和を行った際、お金が市場に多く出回るのでお金の価値が下がります。
この政策の違いから、ドル高円安の状況が生み出されているのです。

円安による私たちの影響について

円安の場合、恩恵を受けるのは輸出を行なっている企業であり、私たちの生活に関わっている輸入品の値段が上がるので、エネルギーや食品の価格が上昇します。

目先の生活については支出が増え、悪影響な部分が多くみられますが長期的に見てみましょう。
日本は輸出に強い企業が多いため、円安の影響を受け業績が伸びる可能性が高いです。

起業の業績が伸びれば給料が上がり、私たちも恩恵を受けることが出来ます。
しかし足元では石油の高騰や給与が上がりづらい日本の企業体質により、
マイナスの影響が大きいと考えられます。

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