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円安スパイラルって何!?円安が進んでいる理由について

こんにちは!関戸 凛です。

2022年3月28日、外国為替市場では1ドル=125円台となりました。

これは2015年8月以来の低い水準となり、円安進行が止まらない状況です。

それまでも円安の傾向が続いており、120円台までじわじわ下がっていたのですが、この日は1日で3円値を下げるなど異例の落ち幅となりました。

このまま円安が進行していくと”円安スパイラル”という負の状況が起こる可能性があります。

ではなぜ今円安が進んでいるのでしょうか。

円安スパイラルとは、何なのでしょうか。

詳しく見ていきたいと思います!

ポイント:1日で3円も円が下落するのはとても珍しい

円安が進んでいる理由

円安が進んでいる大きな理由は、アメリカと日本の金利差が大きくなっているからです。

現在ロシアとウクライナの抗争や景気の回復により、物価が急激に上昇しています。

物価上昇は時に企業の業績を安定させ企業成長が促される事により、社員の給料が上がり、給料が上がったことによって消費があがり、企業の業績が良くなり・・・と良い循環をもたらします。

しかし急激な物価上昇やエネルギー不足による物価上昇は企業の業績に対し良い影響を与えず、給料が上がらないのに物価が上がり生活が苦しくなるという、負の影響を与えます。

この物価の上昇に対し、日本とアメリカは真逆の政策をとりました!

アメリカは、この物価上昇を抑える為金融引き締めを行いました。
日本は、この物価上昇に対してさらに金融緩和を行いました。

物価が上昇すると相対的に通貨の価値は下がります。そのため、金融引き締めを行い通貨の価値を高める事で、物価上昇を防ぎたいとするのがアメリカです。

この日本とアメリカの金融引き締め・金融緩和について、違いが出てくるのが”金利”です。

金融引き締めでは、金利が高くなります。金利が高くなるとお金を借りた際につく利子が高くなるため、お金を借りる企業が少なくなり通貨の流通量は減ります。

流通量が減った通貨の価値は高くなり、相対的に物価の上昇を抑えられます。

逆に金融緩和では、金利を低く設定します。金利が低い事でお金が借りやすくなり、世の中にお金が回る様になります。この金融緩和は主に景気を良くする施策として行われます。

なぜ金利の差が生まれる事で、円安になる?

金利はお金を借りる時は低い方がいいですが、お金を保有する時、金利は高い方が恩恵を受けられます。

お金を預ける際”利息”がつきますので、金利が高く利息が高いほどプラスの利益を得る事が出来るからです。

そのため日本とアメリカの金利差が広がりアメリカの金利が上がる事で、ドルの需要が増加。円安が進んでいます。

ポイント:円安は日本とアメリカの金融政策の違いによる、金利の差が広がっていることが原因

では円安について、メリットとデメリットを見ていきましょう。

円安は良い?悪い?

円安のメリット

円安のメリットは、”輸出企業の業績が伸びやすい”点です。

輸出企業は日本円で商品を売るのではなく、その地域にあった外国通貨を使用し売買を行います。

外国通貨を使用した後、決算のタイミングで外国通貨を円に戻す動きがあります。その際円が相対的に安いと円に換金された際の金額が増加するのです。

日本は国内での需要に限界があるため、主に輸出を得意とし海外への進出を行なっている企業が多くあります。そのため円安の場合業績が伸びる企業が多い傾向があるのです。

この為替による利益ですが、企業によっては何千億という為替益が出ることもあり、為替の影響は非常に大きいものとなっています。

円安のデメリット

円安のデメリットは、"輸入品が高くなってしまう点"です。

円の価値が安いので輸出する際は有利に働きますが、輸入する際は不利になります。

日本は食品やエネルギー、様々な資源を輸入に頼っています。私たちが日常生活を行う上でも外国産の商品はとても多いです。

顕著に現れているのが、石油です。ロシアとウクライナの影響もありますが、円安により石油が高騰。ガソリンの価格がとても高くなっています。

私たちの生活に直結する日用品やガソリン関連については、価格が上がりやすいので円安のデメリットと言えるでしょう。

一般的に日本は輸出の企業が多いため円安の方が企業の業績が上がり、景気が良くなるとされています。

円高になってしまうと輸出企業の為替損が起こってしまい、あまり良くない状況とされてきました。

しかし円安が進行し続けると円安スパイラルに陥る可能性もあり、注意が必要な状況です。

ポイント:日本企業は輸出関連の企業が多いため、円安が良いとされてきた。

円安スパイラル

円安スパイラルとは、「円の価値の下落」と「経常収支の悪化」が連続的に起こすことを言います。

現在日本の貿易収支は赤字となっており、世界的エネルギー供給量の減少による価格の高騰などが原因で輸入額が大幅に増加しています。

この輸入額が大幅に増加する要因の1つとして、円安も入ってきます。このまま日本の輸出額より輸入額の方が高くなり続けると、日本円の需要が更に減るため円安を招きます。

その円安は輸入額の増加を促し、日本の貿易収支は更に赤字となります。また赤字となり輸入額が多くなっていると円の価値が減り円安を招き・・・と負の悪循環が続く可能性があるのです。

この負の循環が、「円安スパイラル」となるのです。

この円安スパイラルの背景には日本で作り海外へ輸出するという構図から、海外で作って海外へ売るという構図へ変化させている、日本企業の状況も影響しています。

つまり円安になっても為替による恩恵を受けにくくなっており、円安の"負の面"が大きくなってしまうということです。

急激な円安の進行は、この円安スパイラルに陥ってしまう可能性があり、政府や日本銀行は懸念しています。

ポイント:円安スパイラルは、日本の貿易赤字が進むことで円安が進行し続けてしまう

まとめ

今回は円安が進行している理由について、解説してきました!

円安が進行している主な理由は、アメリカと日本の金融政策の違いが大きくあるからです。政策の違いにより金利の差が広がることで、ドルの需要が高まり相対的に円の価値が下落しています。

以前まで輸出企業の多い日本は円安が良いとされてきましたが、海外に生産拠点を作る企業が増えたことから、円安の恩恵が受けにくくなっています。

その結果円安の負の面が大きくなり、円安が進行し続けてしまう危険性があるということが分かりました。

現在世界情勢が不安定なこともあり、円安が本当に良いのか、悪いのかの判断が難しくなっています。

日本とアメリカの政策の違いがどのような結果をもたらすか、注目です。

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