こんにちは!関戸 凛です。
まず初めにいきなりですが、、、私たちは合理的に判断できる生き物ではありません!!
失礼しました。
あなたが資産形成を行う上で、お金の勘定を行いますよね。株式投資をする際、今買うこと・売ることで損するのか、得をするのか。
またお金をかけるギャンブルを行う際、どれくらいの確率で自分が儲かるのか。
この損得勘定をする際、私たちは確率に従って合理的な判断をしていると"思い込んでいる"のです。
人は与えられた期待値に対して合理的に判断するのではなく、その場の状況や感情によって判断を歪めてしまうことをプロスペクト理論と言います。
このプロスペクト理論を認識しているのとしていないのでは、大きな差が産まれてきます。
では具体的に人はどのような時に判断を歪めてしまうのでしょうか。
詳しく見ていきたいと思います。
事例:宝くじ
このプロスペクト理論、代表的なものは"宝くじ"が挙げられます。
まずあなたは宝くじを買ったことはありますか?年末などについ買ってしまったりしていませんか?
「いつかは当たる」「買わなければ当たらない」といって何年も当たることのない宝くじを購入していませんか?
これこそプロスペクト理論に当てはまる、判断の歪みなのです!
まずは宝くじの当たる確率を見ていきましょう。
一番夢がある"年末ジャンボ"。この内容を見ていきましょう。
≪年末ジャンボ発行枚数:4億4千万枚≫
1等の枚数:22枚
⇒当たる確率:2,000万分の1
払い戻し100万円以上の枚数:5,412枚
⇒当たる確率:81,300分の1
小数点に直すと、1等が当たる確率は0.000005%。
100万円以上当たる確率は0.00123%です。
小さすぎてあまり想像がつきませんよね。具体的にどれくらいの数字か見ていきましょう。
まず1等が当たる確率です。雷に打たれる確率が100万分の1です。
つまり雷に20回打たれる確率と年末ジャンボ1等が当たる確率が等しいということです。
次に100万円以上当たる確率を見てみましょう。
これはコインを10回投げて10回連続で表が出る確率と同様です。
狙って出せるものではありませんし、まして年に1回購入した際にその確率を引くことは非常に困難であると言えます。
そう。宝くじはとにかく当たらないのです!当たったら奇跡を通り越してしまうほど、低い確率なのです。
ここまで圧倒的に外れる確率が高く、当たる確率が低い宝くじですが、人はつい購入してしまいます。
事例:株式投資
では次に株式投資を例に見ていきましょう。
次の例について、一緒に考えてみましょう。
【質問A】
①何をしなくても50万円もらえる
②あたりとはずれが1つずつ入っているくじを引いて、当たりが出れば100万円。はずれが出れば何ももらえない。
この場合①の無条件でお金を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
では次に別の質問も見ていきましょう。
【質問B】
①何もしなくても50万円奪われる
②あたりとはずれが1つずつ入っているくじを引いて、はずれが出れば100万円奪われるが当たりが出れば何も奪われない。
この場合②のくじに賭ける人が多いのではないでしょうか。
実は上記質問どちらか一方が良いように見えますが、実は確率はどちらも同じなのです。
つまり①を選んでも②を選んでも、どちらが正解でどちらが不正解ということはないのです。
でも感覚的にはどちらか一方が良いように見えますよね?
これはある感覚が働いています。
人は、得をする時その得を逃さないよう行動する。
人は、損をする時その損を最小限にしようと行動する。
つまり質問Aでは得を逃さない為、くじを引かない選択を。
質問Bでは。損をなくすためくじを引く選択を。
無意識にこの動きをしてしまう為、とても注意が必要なのです。
株式投資でのプロスペクト理論
では株式投資にこれを当てはめてみましょう。
一番意識しなくてはならないのは、得(利益)が出ている時ではなく、損(損失)が出ている時です。
例えば購入したA社株が不景気の煽りを受けて株価が下落。
含み損30万円出ている状況だとします。
元々業績が良かった企業なので、このまま更に落ちてしまう可能性もありますが、今後復活して株価を取り戻す可能性もあります。
そして不景気の時に強く、今上り調子のB社株があったとしましょう。
この時あなたはどうしますか?
合理的に動くのであれば、30万円の損切を行いB社株へ投資。
B社株で損失分の金額を取り戻すというのが正解でしょう。
しかし30万円というお金を失うのは非常に怖く、損切りできない人も多くいるともいます。
今後株価が上昇するかもしれない、取り戻せるかもしれない、確定しなければ損をしていないのと同じ。
そのように考えて、売ることを先延ばしにしていませんか。
それが落とし穴であり、プロスペクト理論に陥っていることとなります。
人は損をしそうな時、その損を回避するために更なるリスクや行動をしてしまうのです。
冷静に考え、どの選択が正しいのかを見極めることが大切なのです。
ポイント:株式投資で損失を被りそうになる時、損失を少しでもなくすため合理的な判断ができなくなる傾向がある
まとめ
今回はプロスペクト理論について説明をしてきました!
プロスペクト理論とは、人はいつも合理的な判断をしているのではなく、その場の状況や感情によって判断を歪めてしまうといった事象でした。
資産形成を行う、株式投資をする際は特に下記を気をつけると良いでしょう。
○利益を得ることができる時、利益を逃さないように行動する傾向がある
○損をしてしまう時、損を少しでも少なくしようと更なるリスクを背負って行動してしまう傾向がある
特に損切りの際は注意です!
よく株式投資は損切りが大切だと言いますが、損切りが大切だと言われている理由がこれです。
損を認めたくないという一心で、確定売りを出来ない事が多く、結局更なるマイナスを産んでしまうのです。
しかし人にはこのような傾向があると知っただけで、考え方を見直す事ができると思います。
是非損や得を考える際は意識してみてください!