こんにちは!関戸 凛です。
株式投資を行う上で、あらゆる可能性やリスクを考慮しなくてはいけませんよね。
その企業が抱えている借金や事業計画、業界の今後の見通しなど、気にかけなければならないことが多くあります。
会社の経営状況や業界の景気などの企業や日本国内のリスクだけではなく、世界規模のリスクについても気にする必要があります。
そんな世界規模のリスクの1つである、”地政学リスク”について説明していきたいと思います。
この地政学リスクが企業や株価に与える影響は非常に大きいです。しかしこの地政学リスクには大きな特徴があるので、知っておくことで地政学リスクが顕在化した時に慌てなくてすみます!
では具体的に地政学リスクとはどのような内容なのでしょうか。
地政学リスクについて、詳しく見ていきましょう。
地政学リスクとは
まず地政学について見ていきましょう。
地政学とは、”地理学”と”政治学”を組み合わせた用語です。
その名の通り国内の話ではなく国外の事象を指しており、地理的に国に影響を与えうる諸外国との関係性を表した学問です。
日本で言うと韓国や中国、北朝鮮などが地理的に近く影響を受けやすいと考えられるでしょう。
この中国や北朝鮮との、社会的・軍事的・政治的な関係性を表したのが、地政学です。
つまり各国が地理的に近いので、有事の際に影響を大きく受けやすい危険性を示したのが”地政学リスク”です。
具体的な地政学リスクとは、下記のような事柄が挙げられます。
・北朝鮮がミサイルを発射すること
・ロシアとウクライナが抗争を起こすこと
・イスラム過激派が勢力を拡大すること
この世界規模のリスクが企業や株価に与える影響は非常に大きく、会社の規模や業界など関係なく一律で株価を落とす材料となります。
国家規模の事象となりますので、頻繁にこの地政学リスクが目立つことはありません。しかし近年ではこの地政学リスクが顕在化することが多くなっている為、注意する必要があります。
地政学リスクが株価に与える特徴
地政学リスクが株価に与える影響には、特徴があります。
・直接的な影響は短期的なことが多い
・長期的には物価の高騰など間接的な要因が影響を与える可能性が高い
1つ1つ見ていきましょう。
直接的な影響は短期的なことが多い
地政学リスクが顕在化した際、株価に与える影響は大きく、相場が揺れ動きます。
各国の衝突や更なる状況悪化を見越して、リスク回避の動きから”売り”が優勢となります。
また国家規模のリスクであることから、株価や為替、金の価格まで幅広く影響を与えます。
2022年にはロシアとウクライナの抗争が起こりましたが、日経平均株価が1日で千円近く動くなど通常ではあり得ない事が起こり得ます。
しかしその影響は一時的であり、長期的に影響を与える事はありません。
北朝鮮のミサイル問題
これは以前からありましたが、2016年以降頻繁に打ち上げられるようになりました。
当初日本に向けたミサイル発射は地政学リスクとされ、株価に大きな影響を与えました。
しかし昨今北朝鮮が引き続きミサイルの打ち上げを発表しても、株価への影響はありません。
ロシアとウクライナの衝突問題
ロシアとウクライナの衝突は戦争であり、地政学リスクとして3万円あった日経平均株価は、2万5千円まで値を落としました。
2022年2月24日、ロシア軍の侵攻が開始されました。それまでの緊迫状態からも株価は大きく値を下げていました。
その後戦争は長期化し、3月中に決着がつきませんでした。
しかし日経平均株価は3月最終週2万8千円台まで値を戻すなど、長期化する戦争とは逆に値を上げていました。
この事からも分かる様に、地政学リスクは短期的に大きな影響を与えますが、その後その状況に”慣れ”が生じ、影響が限定的になるのです。
ポイント:状況の”慣れ”により短期間で株価は回復する
長期的には間接的な要因が影響を与える事が多い
地政学リスクに伴う株価の下落は、短期的なことが多いと分かりました。
確かに地政学リスク自体の影響は、短期的な事が多いです。
しかし地政学リスクによる2次的影響が、長期的に株価を変動させる可能性があります。
例えばロシアとウクライナの衝突について、戦争というリスクの裏には、世界的なエネルギー不足が懸念されています。
ロシアは世界有数のエネルギー産出国であり、ロシアがエネルギー関連の輸出を止める事でエネルギー不足が考えられます。
また小麦生産国としても有名なので、小麦の価格が上がる可能性もあります。
石油やガスの価格が上がると、エネルギーだけでなく石油などを原料に作られる部品などの価格も高騰します。
今回のロシアとウクライナの衝突によって、長期的に供給がSTOPした場合、企業が受ける影響も大きく長期的に企業成長が鈍化してしまいます。
この企業成長の鈍化による株価の上昇率が下がるという点から、長期的な株価への影響も考えられるのです。
ポイント:間接的に地政学リスクの影響が長期化する可能性もある
まとめ
今回は地政学リスクが株価に与える影響について見てきました。
地政学リスクとは、国家規模で考えられる軍事的・政治的・社会的な危険性を表した言葉でした。
地政学リスクによる直接的な株価への影響は大きいですが短期的であり、状況への”慣れ”が生じる事で徐々に株価が戻っていく傾向があります。
しかし間接的に物価の高騰や貿易の縮小などから企業成長が鈍化し、結果長期的に株価が上がりにくくなるという可能性もあります。
地政学リスクによる株価の下落は、通常少ししたら元に戻る為利益を出すチャンスです!
しかし事態が大きすぎると長期的に企業業績へ影響を与え、思うように株価が伸びない可能性もあるので、しっかりと見極める事が大切ですよ。