早起き

"早起き"のことわざまとめ 早起きは何が徳なのか徹底解説!

早起きってなんで良いこととされてるの?

子供の頃から「早起きしなさい」や「早く起きることは良いこと」など、私たちは早起きはすべきことだと教えられてきました。

朝早く起きると1日が長く感じられるメリットがある反面、寝不足や早起きを強制された時には最悪の気分になりますよね。

 

早起きは良いことであると疑いなく教えられてきましたが、本当に早起きは自分にとっていいことなのでしょうか?

 

早起きがいいことだと思っている理由の1つとして、このことわざが大きな影響を与えていると思います。

『早起きは3文の徳』

早起きすると徳をするというイメージは、この言葉から得ていることでしょう。

しかし現代を生きる私たちにとって、早起きしても徳をしているというイメージがない方も多いと思います。

 

ではこの「早起きは3文の徳」ということわざの語源は、何なのでしょうか。

またその他の早起きに関することわざや、現代における早起きのメリットについて詳しく見ていきましょう!

【この記事で分かる内容】
・「早起きは3文の徳」の語源
・早起きに関することわざ
・現代における早起きのメリット

早起きは3文の徳の語源

元を辿ると1100年代の中国

早起きは3文の徳の語源は、遡ると中国にたどり着きます。

 

1100年代の宋にいた詩人、樓鑰(ろうやく)が詠んだ言葉である「早起三朝當一工」が由来となっています。

「早起三朝當一工」とは「三日早起きして得られる時間は一日分の仕事に相当する」という意味であり、早起きをすることでより多くの時間を手に入れられるとされています。

 

宋の時代なので仕事というと稲作や牧畜なのかなと思っていたのですが、この詩を詠んだ樓鑰(ろうやく)は政治家でしたので力仕事より頭を使う仕事をしていたのかもしれませんね。

朝起きてすぐは頭が空っぽの状態であり、仕事効率があがるという研究結果もあります。

樓鑰(ろうやく)はそのことを感覚的に知っていたので、「三日早起きして得られる時間は一日分の仕事に相当する」ということわざを残したのかもしれません。

早起きは3文の徳(奈良説)

では次に日本での「早起きは三文の徳」について語源を見ていきましょう。

日本での語源は主に2種類あります。まずは奈良説から。

 

時代は1685年江戸時代中期、徳川綱吉が「生類憐みの令」を出したことがきっかけになりました。

「生類憐みの令」では動物を殺生することを禁じられ、動物を手厚く保護することを命じられました。

 

奈良でもこの命令は適用されており、鹿を殺したりすると罰が与えられました。

役人が朝見回りをし家に動物の死骸がないか確認するのですが、身に覚えのない死骸が家の前にあった場合でも罰が与えられます。

 

そのため朝早く起き家の前に死骸があった場合は、隣の家の前に移動させることにより罰を防いでいました。

どの家も同じことを行うので、一番遅起きの住民が罰を受けることになったのです。

 

ちょうどこの罰が銭3枚分である"3文"でしたので、「早起きは3文の徳」と言われました。

 

早起きは三文の徳(土佐説)

もう1つの説は土佐説です。

 

四国に土佐藩があった頃、水害の軽減や防止を行うため堤防を作っていました。

その堤防を早く固めるため、「早起きをし堤防の土を踏み固めたものには、褒美として3文与える」とのお触書を出したことが語源だとされています。

 

奈良説でも出てきた3文(銭3枚分)ですが、実は大きな金額ではありません。

3文は現在の価値で言うと約90円!

罰金で徴収されてもあまり落ち込みませんし、褒美として与えられても大して嬉しくありませんね。。

 

早起きをするととても良いことがあるかのように思われていましたが、実は少しの徳(得)しかなかったのです。

しかし微量ながらも徳(得)をすることには変わりないので、早起きは良いことだと伝わってきたのでしょう。

 

ここがポイント

「早起きは3文の徳」は、早起きするとほんの少しだけ良いことがある という意味!

早起きに関することわざ

現代では早起きはとても良いことだと言われていますが、本当の意味は少しだけ良いことがあるということでした。

ではほかに早起きに関することわざはあるのでしょうか。

早寝早起き病知らず

こちらは文字通り、早寝早起きをすると病にかかりづらいという意味で用いられています。

早寝早起きという規則正しい生活をすることにより、健康になることを指しています。

 

実際不規則な生活は肌荒れや精神疾患が起こりやすいので、規則正しい生活は体に良い影響を与えます。

朝起き千両 夜起き百両

こちらも早起きと夜更かしを比較することで、どちらが得をするか説いています。

お金の単位である"両"に深い意味はなく、朝早く起きることは夜起きていることの10倍価値があることを伝えています

朝の一時は晩の二時に当たる

こちらも朝と晩を比較したことわざです。

 

時計の時間を示しているのではなく、時間の長さを表現しています。

直訳すると「朝の1時間は、夜の2時間に相当する」という意味です。

※この頃の一時は約2時間なので、二時は4時間とする解釈も。

 

夜の時間帯よりも、朝の時間のほうが効率よく物事を進めることが出来ることを表しています。

The early bird catches the worm.(早起きの鳥は虫をつかまえる)

ここからは早起きについて、海外のことわざもご紹介します。

The early bird catches the worm.(早起きの鳥は虫をつかまえる)は、人間ではなく鳥で早起きの良さを伝えています。

 

朝は虫が出てきていますが他の鳥たちが起きていないので、虫を捕まえやすいことからこのことわざが出来ました。

早起きすることで楽に食事を手に入れることが出来るとあっては、早起きに大きな意味がありそうですね。

The cow that’s first up, gets the first of the dew.(最初に起きる牛は最初の朝露を吸う)

今度は鳥ではなく、牛で早起きの良さを伝えています。

朝露とは朝方に降りた露を指しています。

早起きした牛は朝だけに現れる朝露を吸うことが出来、徳(得)をするという意味です。

 

牛が朝露を好んでいるか私にはわかりませんが、海外の早起きのことわざは"早い者勝ち"を表している言葉が多いですね。

ことわざから学ぶ現代の早起きメリット

これまで見てきたことわざを踏まえて、現代における"早起き"はどのようなメリットがあると言えるのでしょうか。

早起きにより、健康を手に入れられる

早起きをすることにより、健康になるのは大きなメリットといえるでしょう。

 

早起きをするためただ早い時間に目覚ましをセットするだけでは、なかなか起きることが出来ません。

結局いつもと変わらない時間に起きてしまい、自己嫌悪に陥った経験がある方も多いと思います。

 

早起きをするということは、その分早く寝て睡眠時間を確保する必要があります。

すると充分な睡眠がとれ生活リズムが規則的になり、結果健康的な体を手に入れること出来るのです。

早起きにより、早い者勝ちを手に入れられる

現代ではネットが普及したことにより、予約が出来たり公平な抽選が行われるので早い者勝ちが少なくなりました。

しかし手に入りづらい品物は、朝早く店頭に並んだり順番待ちをして手に入れることがあります。

 

早起きをすることで限定品を手に入れたり、欲しいセール品を手に入れることが出来る可能性が高くなりますね。

人より早く行動することで、人よりも早く手に入れられるものが多くなるというのは昔も今も変わらない原則かもしれません。

早起きにより、仕事の効率が良くなる

また早起きをすることにより、仕事の効率を高めることが出来ます。

定時前に仕事を始めれば上司からの呼び出しや後輩からの質問、取引先からの連絡など自分の仕事を妨げるものありません。

また社内も静かですので邪魔が入ることなく、自分の仕事に集中することが出来ます。

 

また起床してから3時間はゴールデンタイムと呼ばれることもあり、頭が冴えていることからインプットや仕事の効率を上げることが出来ます。

寝ている間に脳はその日の記憶を処理し整理するので、寝起きは脳みそがリセットされスッキリした状態です。

起床してから時間が経つにつれ処理すべき内容がどんどん増えていくので、脳の働きは次第に悪くなっていきます。

 

周りの環境や起床した後の脳の状態からも、朝早く起きて仕事を行うことは効率的に進められる手段の1つであり、現代でも通用する知識といえるでしょう。

まとめ

今回は「早起き」に関することわざについて、調べてきました。

古くから早起きは良いことであると言われてきましたが、大きな徳があるというよりは少し良いことがある程度に思っておいたほうがいいでしょう。

そして早起きは現代でもメリットがあることも多く、健康面や仕事面にもいい影響を与えます。

 

いつもより1時間早く起きるだけでも、1日が長く有意義に感じられます。

明日いつもより少しだけ早く起きてみるのは、いかがでしょうか。

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