2月15日、日経平均株価が一時700円以上急落しました。
一時27,000円を下回り、株の売却が多い状況となりました。
日系プロファイルより引用
今回株価が急落したのには、主に2つの要因があります。
①ウクライナ情勢の緊迫感より、リスク回避を目的とした売却
②アメリカの利上げ警戒による売却
上記2つの理由により、株価が大幅に下落した結果となりました。
ではウクライナ情勢が株価に与える影響とは何なのでしょうか。
ウクライナ情勢の緊迫感は、いわゆる"地政学リスク"と呼ばれます。
この言葉の意味も併せて、説明していきたいと思います。
地政学リスクとは
地政学リスクとはそもそも何なのでしょうか。
地政学とは、地理学と政治学を併せた言葉で両方の意味を含む言葉となります。
地理学と政治学を併せた危険性を総称して"地政学リスク"と呼びます。
主に国内ではなく外国からの影響を指す場合が多く
政治的・軍事的・社会的に何らかの問題起きている国がある場合、その周辺の国は
地理的に影響を受けやすいと言えます。
ある国に社会的や軍事的な問題が起こった際、その影響が世界経済に影響する可能性を
地政学リスクと言い、投資家はその出来事による経済への影響を不安視するのです。
例えば石油を日本に輸出する国が国内で暴動が起き、日本に石油を輸出出来なくなった際は
企業だけでなく私たちの生活にも影響を与えますよね。
中国とアメリカが対立する火種が大きくなってしまった最近、世界経済が不安定になり
今後の見通しが見えづらくなってしまいますよね。
このように、日本の出来事ではなく他国の政治的社会的問題による
経済への影響を考えたのが地政学リスクと呼ばれるものなのです。
現在の地政学リスク=ウクライナ情勢について
では現在株価が急落している理由の一つである、
ウクライナ情勢について簡単に解説していきたいと思います。
ウクライナについて、1つの国ではありますが現在2つの派閥に分かれています。
西側:ウクライナ人・ヨーロッパ人が多くアメリカ・EU派寄り
東側:ロシア人が多くロシア派寄り
遡ると2013年に、ロシア派であったヤヌコーヴィチ大統領がEUの加盟に賛成する
野党や市民の汚職に対する大規模デモなどにより失脚。
ヤヌコーヴィチ政権が崩壊しました。
それに対してロシアはウクライナの一部であるクリミア半島を占拠し、
ロシアへの「編入」を決定しました。
これに対し東側は大きく反発し、ウクライナ情勢は悪化しました。
現在国際的な承認は降りていませんが、ロシアはクリミア半島をロシアの一部と
位置付けている状況です。
しばらく停戦状態でありましたが、2021年以降ロシアとウクライナの国境付近に
ロシア軍を増強する動きが目立ちました。
そして現在国境付近に3万人以上の兵を集めたり、
航空機やヘリコプターなどを配置している状況です。
その他軍事演習を行うなど、緊張感が大きく高まってきています。
それに対してアメリカやイギリスなどは大きく反発。
西側に軍を配置するなど対抗措置がとられています。
ウクライナだけでなくアメリカやEU、ロシアを巻き込んだ状況であるため、
世界経済にも少なからず影響を与えているのです。
アメリカの利上げについて
日経平均株価が急落したもう1つの理由である、
アメリカの利上げについても見ていきたいと思います。
アメリカの利上げについては1月末より発表がされていましたが、
この利上げを加速させるような材料が出たため、株価に影響を与えました。
アメリカの1月米消費者物価指数(CPI)が発表され、
予想以上に高い数値が出た結果となりました。
アメリカの利上げは上昇している物価を抑制するための目的があります。
物価が上がりインフレが加速するのを防ぐため、利上げに踏み切る決断をしているので
消費者物価指数の上昇は利上げをする判断材料の1つとして十分は役割を果たします。
上記の点からアメリカの利上げを懸念した、株価の下落が目立った結果となりました。
今後の日経平均株価について
アメリカの利上げについては、発表から期間が経っていることもあり
次第に落ち着いてくると考えられます。
しかしウクライナ情勢について日々報道されており、
報道内容によって敏感に株価が動いていることから、地政学リスクを警戒した
動きがしばらく続くと思われます。
株価が下値になっていることもあり、地政学リスクという売りの材料がありますが
押し目買いを狙う動きもあるため株価が上下に動いていく状況が続くと考えられます。
ウクライナ情勢が落ち着くまで、不安定な株価になりそうです。