こんにちは!関戸 凛です。
株式投資を行う上で最大の魅力とも言えるのが、株主優待や配当金ですよね。
株を保有しているだけで投資先の企業の商品や現金で還元される嬉しい制度です。
この配当金や株主優待を受け取るために意識しなければならないのは、「権利確定日」です。
配当金や株主優待は保有している期間でもらえるのではなく、ある期間に保有していればもらえるのです。
その保有していなければならない日を「権利確定日」と言います。
極端な話し、権利確定日のみ株を保有していれば、株主優待や配当金を得ることが出来ます。
半年間や1年株を持ち続けなくても、株を保有する大きなメリットを1日で手に入れることが出来るのです。
ただこの権利確定日について、皆さん考えることは同じで1ヶ月前くらいからこの権利確定日の株保有に向けて買いが優勢となる傾向があります。
そして権利確定日が過ぎた株は、用済みとばかりに売りが大きく発生しているというのが通説です。
では実際に権利確定日に向かって上がっていた株価は権利確定日後下落しているのか。
見ていきたいと思います!
権利確定日後の株価の動き、気になってた!
日経平均株価の権利確定日後の推移
まずは日本を代表する225社が選ばれた、日経平均株価で見ていきましょう。
権利確定日は企業が締日と決めている日から、2営業日前です。
2021年度の決算締日を2022年3月31日(金)に設定している企業が多いため、今回は2022年3月29日(水)で検証したいと思います。
下のグラフが日経平均株価の推移です。
引用:日経平均プロファイル
こうしてみると、確かに権利確定日である3月29日(水)の次の日から株価は下落しています。
ロシアとウクライナの影響や日本銀行の金融緩和(指値オペレーション)の発動など、外部的要因もありましたが、このグラフでは通説通り権利確定日まで株価は上がり、権利確定日以降株価は下がっています。
これまで何日も連続で伸びていた日経平均株価が、権利確定日の次の日に反落し株価の上昇が止まるというのは、何も影響がないわけではなさそうですね。
では株主優待や配当金が高い企業がどの様に推移しているか、見ていきましょう。
企業別権利確定日以降の株価推移
今回検証する企業は、数ある上場企業の中でも配当金や株主優待が人気の企業を選定しました。
配当高利回り企業
日本郵船 | 利回り:11.97% |
岩井コスモHD | 利回り:8.69% |
エイベックス | 利回り8.26% |
人気株主優待企業
オリックス | 株主優待:ふるさと優待 |
イオン | 株主優待:株主優待カード |
すかいらーくHD | 株主優待:レストラン優待カード |
1つ1つグラフと共に見ていきましょう。
配当高利回り企業
・日本郵船
・岩井コスモHD
・エイベックス
引用:楽天証券
まずは配当高利回り企業について、非常に顕著な傾向が見られました!
日本郵船・岩井コスモHDについて29日から30日にかけて大幅に株価が下落しました。
エイベックスにつきましても他の2社と比較すると少し下落が緩やかですが、30日・31日と下落していきました。
この配当高利回り企業については、権利確定日の次の日大幅に売りが発生し価格を落としていました。
やはり権利確定日の次の日は売りが発生する傾向があると言える結果でしょう。
ポイント:配当高利回り株は権利確定日の翌日株価が落ちる傾向が顕著
では次に人気株主優待企業の株価を見てみましょう。
人気株主優待企業
・オリックス
・イオン
・すかいらーくHD
引用:楽天証券
人気株主優待企業の株価を見てみました。
オリックスは下がっていますが、数十円の下がりであるなど配当高利回り企業と比較した際顕著な傾向は見られませんでした。
逆にすかいらーくHDは権利確定日の次の日に株価が上がっているなど、権利確定日の翌日下がるという動きは目立っていません。
今回の検証から、権利確定日の翌日に株価が下がる。つまり権利確定日の権利を狙って買いを入れている目的は、”株主優待”よりも”配当金”であるという事が分かりました。
ポイント:株主優待が人気の企業は、権利確定日の影響を受けにくい。
権利確定日の当日買い、翌日売りで利益が出る?
ではこう考える人もいると思います。
確かに権利確定日に買って翌日に売れば、配当金を短期間保有で受け取れるので利益を得やすいです。
しかし権利確定日当日まで株価は上がって、翌日は下がるので株の売買の差額で結局損をするのではないか、と。。
ではこれについて、今回配当高利回り企業としてあげた3社で検証してみたいと思います。今回は当日に100株買い、翌日に100株売る想定で考えてみます。
日本郵船
配当金:120,000円
権利確定日終値:11,110円
権利確定日翌日終値:10,160円
差額:950円
配当金合算:+25,000円
岩井コスモ
配当金:6,000円
権利確定日終値:1,422円
権利確定日翌日終値:1,349円
差額:73円
配当金合算:-1,300円
エイベックス
配当金:5,000円
権利確定日終値:1,440円
権利確定日翌日終値:1,399円
差額:41円
配当金合算:+900円
日本郵船・エイベックスについては、権利確定日当日に購入し翌日に売ってもプラスになることが分かりました!
岩井コスモについて、マイナスの結果となってしまいましたが、配当金との差額はそこまでない形でした。
ポイント:配当高利回り株であれば権利確定日当日に買って、翌日に売っても利益が出る
まとめ
今回は権利確定日後に実際に株価が落ちているか検証しました!
結果は下記の通りです。
配当高利回り株・・・権利確定日後、売りが優勢となり株価が落ちる
人気株主優待株・・・権利確定日後、売られる傾向あまりなし
配当は現金で配られるため、配当目当てで購入している人が多いのでしょう。そのため売りも出やすく権利確定日に向けては買いが入り株価が上昇していました。
優待はその企業の商品やサービスが好きで株を購入している人も多く、長期保有を前提としている投資家が多く権利確定日の影響が少ない結果となりました。
また権利確定日に購入し、権利確定日翌日に株を売った際配当金との差額で利益が出るかも検証しました。
こちらについて、配当高利回り株であれば利益は出るとの結果となりました!権利確定日に買って翌日売っても利益が出るので、短期トレードで結果を出しやすいといえます。
配当金が高いからこその利益ではありますが、だからこそ権利確定日前後は株価が大きく揺れ動くのでしょう。
次の決算では配当高利回り株に目をつけてみると、面白いかもしれませんね。
少しでも参考にして頂けますと嬉しいです!!