Contents
ESGという言葉を聞いたことがありますでしょうか。
またその意味を知っていますでしょうか？
最近ではSDGsという言葉も広がりつつありますが、まだ具体的な内容がよく分かっていない方も多いと思います。
SDGsでは持続可能な未来を目指し、貧困や環境を守ろうといった内容でした。
これまで企業は自社の利益のみを追求し、環境や周りへの配慮はあまりされてきませんでした。
しかし昨今企業には社会に貢献する義務や環境に配慮すべきとの声が高まっている状況です。
これまで利益のみを追求し、排気ガスの排出や汚染水の問題などはあまり重要視されていませんでしたが、今後は社会の目も厳しくなり企業が社会や環境に対し、どれだけ配慮しているかが注目されています。
その中の指標の一つとして見られているのが、この"ESG"です。
このESGを基にした投資についても注目され、海外では年々このＥSG投資額は高まっている状況です。
では具体的にESGとはどのような内容なのでしょうか。
ＥSG投資とは具体的にどのように行うのでしょうか。
詳しく見てきましょう。
ESGとは、企業が取り組むべき3つの課題
ではESGについて詳しく見ていきましょう。
ESGとは、企業が取り組むべき3つの課題の頭文字をとったワードです。
Environment・・・「環境」
Social・・・「社会」
Governance・・・「企業統治」
この3つの頭文字をとったのが、"ESG"となります。
ではなぜこの3つが企業が取り組む課題として挙げられ、かつ重要視されているのでしょうか。
昨今二酸化炭素排出量の問題や環境汚染、環境破壊の問題などより顕在化し注目されてきました。
以前から世界的問題であると言われていますが、改善の兆しはなく悪化している状況です。
また企業が地域に対して貢献しているかどうかや、雇用の不平等がないか。例えば女性や妊婦さんが活躍しやすい環境となっているか。
はたまた不正なことを行わず、クリーンな経営や透明なお金の流れを作れているか。
企業が経営を行う上で注意すべき・気にするべき・社会に対して与えるべき影響について、
しっかりと考えあるべき姿を目指す必要があると、世界中で注目されるようになりました。
なぜ今このような事が叫ばれているかというと、顕在化する環境問題や社会的問題。ネットが発達してきたことで見えてきたものが多く、他人ごとではなく意識しなくてはならないものとして声が大きくなってきたからです。
また政府もこの動きに乗るような形で推進しているので、企業もイメージアップや社会的責任を果たす為ESGを重要視する動きが出てきているのです。
では"E・S・G"について1つ1つ見ていきましょう。
環境
私たちにも関わる身近な問題として、思いつく方も多いのではないでしょうか。
生活が豊かになるにつれ、排気ガスの問題やエネルギー問題が非常に大きくなっています。
私たちが車を使うだけでCO2が排出されますし、電気を使用する場合も火力で発電するのでCO2が排出されます。
CO2が増加することで、オゾン層が破壊され地球温暖化を促進するとの見解もあり、世界的問題となっています。
またエネルギー問題はいつか枯渇するとも言われており、石油に代わる別のエネルギーを探すことに対しても必要とされています。
この問題に先だって、EUは2035年にガソリン車の販売を全面禁止するなど国家としてもこの問題に取り組んでいる状況です。
その中で環境問題に対し積極的に取り組んでいる企業は、投資家や消費者からの評価が高くなります。
国や企業全体として、取り組むべき重要な課題であると位置づけられています。
社会
環境問題だけでなく、社会的問題についても企業の課題と捉え重要視されています。
社会問題、例えば企業に結び付く内容として雇用問題が挙げられると思います。
国籍や性別、年齢などで雇用の偏りが出ていないか。労働条件はしっかりと法律の範囲内となっているか。残業代は支払われているか。三六協定は守られているか。
などなど、多くの人は会社に雇用され働いています。雇用されることでどうしても立場が弱くなってしまう従業員に対し、公平公正に経営や採用が行われているか、非常に重要となっています。
この企業の雇用問題は、少子高齢化や人口集中など国の問題にも直結してくるのです。
日本は特に少子高齢化が進み、高齢者の割合が多くなっているので産休制度の確立や60歳以上の労働者の再雇用など企業に期待される内容は大きくなっています。
この社会的な問題についても、企業の対応が注目されています、
企業統治
最後は企業統治です。これまで環境問題や社会問題などの外部的問題に対して、企業がどのような姿勢で対応するかについて
見てきました。
しかし最後の企業統治については企業内に目を向けた課題となります。
企業経営を行う上で、不正や不適切な行為なく会社を動かすことが出来ているか、見られています。
黒いお金の流れや不正会計、法律を無視した経営など企業が不正を行うことで与えられる社会的影響はとても大きいです。
経営層が不正な内容で経営を行っていないかはもちろん、従業員が不正な取引や法律に違反した営業を行っていないかなども、重要となっています。
社外だけでなく社内の内容についてクリーンにすべきであるというのが最後の"企業統治"であり、企業に求められる課題の1つとなります。
ESGに対して社会的反応
このESGに対して、社会的な反応はどのようなものなのでしょうか。
現在欧米を中心にESGを評価する動きが高まっており、投資額にてその動きが確認できます。
北米や欧州では年々投資額が増加傾向にあり、今でも増加し続けている状況です。
また世界投資額の25%以上がESG投資であると言われているほど、ESGが広まっている状況です。
日本についても年金を運用している機関が、1兆円規模でESG投資を行っていましたが
今後3兆円まで規模を拡大し投資を行う予定です。
このように投資先として、"ESG"が注目され実際に投資されている状況です。
これは今後「環境・社会・企業統治」の3点に注力している企業は伸びるとの判断であり、年金機構が運用投資先として選定するなど国家としても応援していくことが読み取れます。
このことからも、ESGというのは企業に求められている課題というだけでなくESGに対して企業努力が見れる企業は社会的に評価されているのです。
具体的なESG投資方法
では具体的にESGに投資する方法として、どのような方法があるのでしょうか。大きく2つの方法があります。
①ESG投資信託を購入する
②IR情報を確認し、個社で投資先を見つける
①ESG投資信託を購入する
ESGを遵守している企業を見るけるのは、あまり簡単ではありません。
企業がこのESGについて積極的に取り組んでいると言っても、
実際に取り組んでいるかをしっかり確認するには時間がかかります。
またESGについては明確な基準がない為、ESG取り組み企業か判断するのに戸惑ってしまいます。
そこで証券会社がESG企業をまとめて商品にしているのが、ESG投資信託です。ESG投資信託として実際に売られているのは、下記商品です。
ベイリー・ギフォード インパクト投資ファンド
運用会社：三菱UFJ国際投信株式会社
金額：22,955円
モルガン・スタンレー グローバル・サステイン戦略ファンド
運用会社：野村アセットマネジメント株式会社
金額：12,443円
ＵＢＳ ＭＳＣＩ先進国ＥＳＧ株式インデックス・ファンド
運用会社：UBSアセット・マネジメント株式会社
金額：17,470円
これらの商品は証券会社がESGに適している企業をピックアップして、運用を私たちの代わりに行ってくれます。
運用方法や手数料などを比較するだけでESG投資を行うことが出来るため、手始めに行いたい方はお勧めです。
②IR情報を確認し、個社で投資先を見つける。
ESGは具体的な基準の数値や、指標が決まっていません。何を行ったらESGに分類されるかが曖昧なので、IR情報を自分で確認しESGに力を入れている企業なのか確認する必要があります。
環境や社会、企業統治についてどれほど数字や結果を出すことが出来ているかが重要となります。
この方法はIR情報の読み方が分かっており、かつ企業同士の比較が出来るほど時間も確保できる方にお勧めの方法となります。
自分の時間ややり方にお勧めの投資方法を見つけて見てください。
まとめ
ESGについて解説してきました！
ESGは企業が課題に持つべき3つのことについて、表した言葉でした。
Environment・・・「環境」
Social・・・「社会」
Governance・・・「企業統治」
社会が変化していく中で、企業が果たすべき役割として見られる目が厳しくなってきました。
このESGがしっかりと守られている会社は社会的にも評価され、ESGをしっかり行えている会社はクリーンだと考え、投資対象としても非常に注目されています。
あなたも自分のESG投資先を見つけてみてはいかがでしょうか。