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こんにちは!関戸 凛です。
2022年5月、ビットコインが1週間で100万円以上下落しました。
5月5日には1ビッコイン=500万円以上あった価格は急降下。
5月12日には360万円まで値を下げるなど、10ヶ月ぶりの安値をつけました。
今回ビットコインが暴落した理由は、ビットコインにはありません。
リップルやイーサリアムなども値が落ちるなど、仮想通貨全体が下がったのです。
仮想通貨全体に影響を与え、価格を落としたのは原因は、仮想通貨の一つである”LUNAコイン”です。
このLUNAコインは、テラが発行しているUST(仮想通貨)の価値保証として発行されていました。
ではこのテラ、USTとLunaコイン、どのようなものなのでしょう。
詳しく見ていきたいと思います。
UST(仮想通貨)・Lunaコインとは
UST・LUNAコインの発祥
UST・LUNAコインは、仮想通貨の一種です。
発行しているのは、韓国を拠点にする「Terraform labs有限責任株式会社」です。
このTerraform labs有限責任株式会社が、仮想通貨を決済方法の1つとして普及させようとしたプロジェクトを”テラ”と言います。
このテラはプラットフォームの役割を果たしており、その中にUST・LUNAコインがあります。
ポイント:UST・LUNAコインは、韓国が発祥の仮想通貨
UST・LUNAコインの特徴
USTは仮想通貨の中でも、ステーブルコインとして作成されました。
ステーブルコインとは、簡単に言うと価格が大きくぶれず安定するように作られた仮想通貨の事です。
仮想通貨の問題点は、価格の変動が非常に激しいという点でした。
仮想通貨の中でもっとも知られているビットコインは、価格の変動が激しく1日に10万円以上値が動くことも珍しくありません。
その他の仮想通貨も需要次第で激しく値が動くので、通常の通貨として使うには難しい問題点がありました。
その問題を解決しようとしたのが、”ステーブルコイン”です。
仮想通貨は価格を裏付ける資産がないため、上下が激しい傾向がありました。
ステーブルコインは価格を安定させるため、法定通貨や金や原油の価格と連動させます。
ステーブルコインと法定通貨の関係
具体的にステーブルコインはどのようにして、法定通貨と連動させ価値を安定させるのでしょうか。
連動させる方法として、ステーブルコインを購入した際に、裏側で同じ金額のアメリカドルを購入することで価値を保証していました。
例えば1コイン=1ドルだった場合。1コインを購入した際、裏側で1ドル購入されます。
そのため1コインを売る際、1ドル分は保証されていました。
ポイント:ステーブルコインは裏側に価値が担保できる通貨などを保有することで、価値を安定させていた
UST・LUNAコインの仕組み
USTはステーブルコインだと説明しました。
そのためUSTにも裏側で価値が保証出来るものを用意していました。
それは法定通貨ではなく、LUNAコインだったのです。ここにUSTの工夫がありました。
1ドル分のUSTが購入された場合、価値を保証するため1ドル分のLUNAコインが購入されていたのです。
USTとLUNAコイン相互にお互いの価値を保つ機能をしていた為、いつでも"1ドル"の価値に近い形で推移していました。
ポイント:USTとLUNAコインで価値を保証し合い、アメリカドルと連携される設計がされていた。
UST・LUNAコインの暴落事件
USTとドルの連携が外れる
LUNAコインが大暴落した際のそれぞれの発行量を見てみましょう。
USTの発行量は約2兆4,000円分。LUNAコインの時価総額は約3兆6,000億円でした。
仮にUSTが全て売られLUNAコインへ変換しようとしても、価値を保証するLUNAコインの方が時価総額が上なので耐えることが出来るはずでした。
USTよりも価値が高いLUNAコインが担保として存在していたので、これまでステーブルコインとしての機能を果たしていました。
しかし事態は一変します。
USTの価格がドルとの連携が外れ、下がり始めたのです。
なぜ連携が外れてしまったのかは具体的には分かりませんが、USTの価値が下がると買いの圧力が生じます。
「USTの価格がなぜか下がっているから、購入して1ドル分のLUNAコインへ変換しよう。」
USTの価値保証としてLUNAコインがあるため、当然価値が高いLUNAコインへ変換しようとします。
しかしLUNAコインは通常の仮想通貨です。価格は安定していないという特徴がありました。
すると投資家は更に次の行動を始めます。
「LUNAコインも危なそうだから、LUNAコインは売ってドルに変えておこう。」
USTは買いが優勢となり価格が伸びていく一方、LUNAコインは価格が下落するという逆の動きとなっていきました。
そしてLUNAコインは売りが強くなると、LUNAの価値は徐々に下落していくこととなります。
この時運悪く、LUNAコインの価格は下落傾向にあり USTの発行量へ近づいていました。
USTとドルの連携が外れたことによる価格の下落をきっかけに、LUNAコインは大きく値を下げることとなりました。
結果もともと3兆6000億円の価値があったLUNAコインは、5月10日に1兆3000億円まで減少しました。
LUNAコインとUSTの負のスパイラル
USTの価値を担保していたLUNAコイン。ですがLUNAコインの価値下落により、USTの価値を保証出来なくなってしまいました。
その結果USTは信頼を失い、売りが売りを呼ぶ展開となりました。
価値が保証されていないので、無限に価格が落ちていく状況となりました。
元々1ドルの価値が保証されていたUSTですが、一時0.3ドルまで減少してしました。
ポイント:USTとLUNAコイン、価値を保証するはずのものが価値を失い売りが止まらない展開へ
まとめ
今回仮想通貨が大きく値を下げたのは、"テラ"が展開するUST・LUNAコインが原因でした。
仮想通貨の中でも、価値が保証されたステーブルコイン。
本来であれば価格が安定し安全な通貨となるはずでしたが、この価格を安定させる機能が逆効果となってしました。
今後ステーブルコインについては、規制や見直しが入る可能性があります。
ステーブルコインを購入する際は、その通貨がどのような仕組みで価値を保っているか、注意深く調べる必要がありそうです。