株式投資

企業の経営状況はROEで判断 その企業の状態を示す指標

皆さんはROEという言葉をご存じでしょうか。企業の状態を見る時、どのように判断すれば良いかわからないことが多々あります。
「これから企業に投資したいけど、どの企業がいいのかわからない」
「この会社に転職を考えてるけど、将来大丈夫か不安」
「自分の会社の経営状況って、どんな感じなのかな」

など、自分に関わりがある企業の状況というのは分かりづらいものです。

売り上げが高くても、利益が全然出てなかったり。設備投資を大きくしてるから赤字になっていたり。
1つの数字だけでは判断できないことが多くあります。

そこでその企業の状態がどうか判断する基準の1つとして、”ROE(自己資本利益率)”があります。
ではROEとはどんな指標なのでしょうか。説明していきます。

利益が効率よく生み出せているかを表すROE

ROE(自己資本利益率)は会社が自己資本をどれだけ有効に活用して利益を上げているかを示す指標となります。
自社で持っているお金(資産)に対して、どれだけ効率的に利益を出しているかの指標がROEになります。
ROEの計算方法は以下の形になります。

ROE(%)= 純利益 ÷ 自己資本(純資産)

その会社の利益を資本で割ることにより、資本に対していくら稼げているかを示す形となります。
投資家目線でいうと、自分が投資したお金を使ってどれだけ利益を上げているのか という指標となります。

ROEは高い方がいい?低い方がいい?

ROEは企業がどれだけ効率よく経営が出来ているかの指標です。そのためその数値がたければ高い方が好ましいです。例えば以下のような形になります。

純利益 ÷ 自己資本=ROE

  1. 100万円の自己資本を使って、10万円の利益を上げた

   10万円÷100万円=0.1

2.100万円の自己資本を使って、20万円の利益を上げた

20万円÷100万円=0.2

もちろん同じ100万円を使って20万円の利益を上げた後者の方が評価が高くなります。
ROE(自己資本利益率)も10万円利益を上げた会社よりも、20万円利益を上げた会社の方が高くなってますね。
売上や負債などを差し引いた最終利益を自己資産で割り、その企業がいかに効率のいい経営をしているか測る。
それがROEなのです。

ROEって平均どれくらいなの?

ではROEの平均はどれくらいになるのでしょうか。
過去10年間の日本の上場企業のROEの平均は8%~10%となります。

では世界と比べるとどうなのでしょうか。

アメリカは15%~18%。欧州は10%~14%。
日本の企業は世界の企業と比べるとROEが低い傾向があります。

ではなぜ外国と比較した際、日本のROEは低いのでしょうか。

理由はいくつかありますが、日本の企業は外国の企業と比較した際、利益率が低い傾向にあります。
これは日本の企業に利益を大きく出す力がないとも読み取れますが、ここで注目したいのは利益率のブレが諸外国の企業と比較した際少ないという点です。

日本の企業は安定志向が強く、大幅な投資や新規事業の拡大に大きく力を入れず
利益が出た際は内部留保としてお金を貯める傾向が強くあります。

その為程よく稼いでいる状態が続くため、利益率が大きく高くならないのです。
つぶれるリスクが低いというのは魅力的ですが、外国の企業と比べた際利益が上がっていないというのも事実です。

まとめ

企業の状態を示す指標の1つとして、ROEを解説してきました。
投資家もその企業の状態を測る上で判断する重要な指針の1つとなる為、
是非決算書などを見る時は意識してみて頂きたいです。

日本企業のROEの平均は8%~10%。これより低いか高いかで、自分が気になっている企業や関わりがある企業の事をより深く知ることが出来るかもしれません。

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