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任天堂「スイッチ」が一億台越え しかし売り上げは減少。影響する半導体不足の原因とは?

スイッチが歴代据え置き型ゲーム機で歴代最高となる1億354万台を売り上げました。非常に好調で推移しています。
しかし今期の販売数予測は2300万台、前期比20%減少とし好調に陰りが見え始めています。

ソフトの売り上げは好調だったがスイッチの売上が減少しているため、売り上げについても6%減少の1兆3202億円とっています。

スイッチ販売台数は好調なのに、生産台数、売り上げが減少している背景には、半導体不足が関係しています。
半導体の調達に苦戦し、生産予測を下げたりなど影響が出てきている状況なのです。

いま自動車やパソコン、ゲーム機など様々なところで半導体が不足しているというニュースをよく耳にします。では半導体はなぜ世界中で不足しているのでしょうか。

そもそも半導体って何?

半導体とは、電子機器の頭脳の部分として機能しているものです。マイクロチップと呼ばれたりしています。

半導体は導体(電気を通す物質)と絶縁体(電気を通さない物質)の中間の性質を持っていて、電流を制御することが出来ます。半分電気を通さない性質もありますので、”半”導体なのですね。

半導体は様々な製品に使用されています。スマートフォン、デジタルカメラ、テレビ、洗濯機、冷蔵庫など私たちの身近なものはもちろん、ATMや電車の運行にも使用されています。

今や私たちの生活には半導体が必要不可欠と言っていいほど、半導体を使用して生活をしているのです。

半導体が不足している主な2つの原因

半導体不足には主に、"需要"と"供給"が関わってきています。ではまず需要から見ていきましょう。

需要から見る半導体

先ほどご説明しました通り、半導体は私たちの生活になくてはならないほど重要な役割をしています。またコロナウイルスにより家に時間が増え、家の物を豊かにしようとする人が世界中で増えました。その為家電製品の需要が増えたことにより、メーカーは商品の増産を目指しました。その際に必要になるのが、"半導体"です。

また家電製品だけでなく、電子機器や自動車など新しい技術や商品が生産される度に半導体は必要となります。
昨今私たちの生活は大きく変わり、私たちの周りにはいつも電子機器が溢れている状況となっています。
それに伴い必要となる半導体の量も増え続けているのです。

このように私たちの生活に密接に結びついている製品に半導体が使われていることから、半導体の需要がさらに高まり品薄の状態が続いています。

では供給の部分ではどうなのでしょうか。

供給から見る半導体

供給の部分でも、コロナウイルスが影響しています。コロナウイルスが流行することで、輸出入に大きな影響を与えました。輸入してきたものを港に2週間隔離し、その後国内に持ち込みを行なっていたため物理的に時間もかかり、かつコンテナが世界中で不足しました。
輸入しても非常に時間がかかり、かつコンテナが不足し溜めて置けない状況などから物流は大きく混乱しました。では半導体は通常通り製造されていたのでしょうか。

2021年2月、アメリカでかつてない寒波が襲来し停電が起こりました。その影響を半導体工場が受け、稼働停止の状態に追い込まれました。また稼働停止期間も3ヶ月〜半年と長く、半導体の製造に大きく影響を与えました。

また日本でも2021年3月、半導体製造工場で火災が発生。半導体の製造ができなくなり、半導体不足の一因となりました。そして2021年9月、今度は中国で大規模な停電が起こり、半導体製造工場が稼働停止状態に。
世界中で半導体不足が叫ばれる中、半導体工場が相次いで稼働停止に追い込まれ半導体不足に追い討ちをかけるような形となったのです。

このように半導体の需要面と供給面、両方からの影響を大きく受け半導体不足が続いているのです。

今後の半導体供給の見通しについて

現在世界中で半導体不足が問題となり、大手企業は自国だけでなく各国の半導体を手に入れるため争奪戦となっている状況です。今後半導体の需要は伸び続けることが想定され、しばらく半導体不足は続くと見通されています。またコロナウイルスも不透明な状況であり、供給する工場がいつ止まってもおかしくない状況となっています。

逆にいうと半導体を製造している企業にとっては暫く高業績が続くと予想されます。半導体の納期が2年待ちとなっているところもあるため、2年後までの仕事が約束されている状態です。
半導体製造や半導体の部品、検査会社などは今後も業績が好調となりやすいでしょう。

今後も世界のIT化に伴う半導体の動きに注目です。

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