トヨタ自動車が第三四半期の決算を発表しました。
売上は約23兆円。営業利益は2.5兆でした。売上は前期比約20%増加、営業利益も約67%増加と売り上げ利益ともに増加傾向となりました。
現在半導体不足やコロナウイルスの影響が強いですが、なぜ売り上げや利益が伸びているのでしょうか。見ていきたいと思います。
売上・利益増加の理由
売上・利益が増加している要因について、見ていきたいと思います。
大きく2つ挙げられます。
①車販売台数の増加
前期の連結販売台数が543万台でしたが、今期の販売台数は609万台と販売台数を伸ばしている点が売り上げ増加に結び付いています。
地域ごと見ていくと、日本の販売台数は前期比94%と国内の販売台数は伸び悩んだ結果となっています。
しかし北米・欧州・アジア圏の販売台数を伸ばすことが出来、特にアジア圏では前期比131%、111万台の販売と好調でした。
また中南米やオセアニア、アフリカなどの販売も好調でした。
また電動自動車の割合は27.7%と前期よりも約5%増やすことが出来、売り上げに貢献しています。
②為替変動
前期と比較した際、今期は円安でしたので、為替の影響により営業利益が増加しました。
前期と比べ、ドルで2,000億円、ユーロで350億円、その他の通貨で2,050億円プラスとなり、合計4,450億円のプラスとなりました。
為替相場について見てみると、2020年12月は1ドル=103円でしたが2021年12月には1ドル=115円と、ドル高円安の傾向が2021年は続きました。
ユーロでも見てみましょう。
2020年12月は1ユーロ=126円でした。しかし2021年12月は1ユーロ=130円と微増しています。
その他の通貨でも円安に向かう傾向がありました。その要因としては、コロナ禍以降日本の円が安全通貨として買われていた為円高の傾向が2020年以降続いていました。
しかし2021年はコロナウイルスの影響も少し収まり、景気も回復傾向とあった為他の通貨の需要が高まり全体的に円安に向かっていたと考えられます。
トヨタ自動車など、外国に輸出し車を販売している企業は
現地で販売した売り上げを円に戻す工程が発生します。
その際円安の方が監禁した際のお金が多くなり、利益を生み出しやすいのです。
この為替の影響も収益増加に結び付けました。
今後の見通しについて
では通年の見通しについてはどのようになっているのでしょうか。
生産計画では需要に対して供給を強化する形でしたが、半導体不足が全世界で広がっており
そちらの確保が安定しない点もあり前回の見通しから生産台数を50万台引き下げています。
ただ生産計画は引き続き高い水準で動いていくようです。
生産台数が減少する点に伴って、連結の販売台数は30万台減少するとの見通しです。
また2022年は引き続き半導体の供給が非常に不安定な見通しとなっています。
トヨタとしてもこの半導体の不足に対して対策をしていないわけではありません。
半導体の供給確保の為、2021年秋に東南アジアの半導体工場が停止した際は
トヨタが支援を行いました。
需要は高い水準にあるものの、供給面が不安視される状況です。
今後供給面を安定させることが、業績拡大のカギとなりそうです。