2022年1月25日、アメリカの中央銀行は迅速な政策金利の引き上げが適切であると発表しました。その影響で日経平均株価は一時900円安。全世界に衝撃を与えました。
日経平均株価は日本の225銘柄の平均の値です。そのため大きく動いても1日500円程度ですので、900円安というのがどれほど日経平均株価に影響を与えたか分かるかと思います。
日本国内の出来事でもないのに、なぜこれほどまで影響があるのか。アメリカの利上げとはどういうことなのか。
ご説明していきたいと思います。
そもそもアメリカの利上げって何?
アメリカの中央銀行が、金融機関に対して金利を上げることを"利上げ"、金利を下げることを"利下げ"と言います。
では金利の説明をしていきましょう。あなたがお金を借りる時のことを思い出してください。お金を借りる際、タダで借りれますでしょうか。必ず利子が付いてきますよね。
例えば年間10%の利子だとし、10,000円を1年間借りたら1年後に11,000円にして返さなければなりません。この利子のことを金利と言います。
では金利が上がるというのはどういうことなのでしょうか。先程の例えでは、1年間で10%の金利でした。これが20%になったら利上げです。10%の時は1年後に11,000円でしたが、金利20%ですと12,000円にして返さなければなりません。
もちろん金利は低い方が返す額が安く済みますので、低い時は金融機関が多くお金を借り企業にお金を貸します。
これまで不景気でしたので、ずっと低金利でした。中央銀行は金利を低く設定することにより、世の中にお金がまわりやすいようにしていました。
しかし今回のアメリカ中央銀行の決定では、利上げの方向性を示唆しました。
つまり金利が上がり、世の中にお金が周りにくくなる可能性が高くなったということです。
なぜアメリカは利上げをするの?
先程の説明では利上げをすると世の中にお金が周りにくくなるとお話ししました。利上げをすると発表しただけでアメリカだけでなく日本や世界の株価が変化したことから、利上げは景気に大きな影響があるのは一目瞭然です。
ではなぜアメリカは利上げを行うのでしょうか。それにはいくつかの理由がありますが大きな要素として"インフレ"が挙げられます。
インフレとはお金の価値が下落し、物価(物)の価値が上昇することを言います。
2020年コロナウイルスにより、世界経済は大幅に打撃を受けました。その打撃をなんとかするために、日本もアメリカも経済政策を打ち出し金融緩和を行い景気の回復を目指しました。昨今景気の回復に伴い物価が上がってきており、かつお金は世の中にダブついている状態となっています。
このインフレの状況をなんとかするため、アメリカは利上げを行おうとしているのです。
利上げの影響について
これまで日本やアメリカでは景気を良くするため、金利を低く設定をしていました。お金を世の中に多くある状態にし、経済が周り景気が良くなることを目的としていました。
コロナウイルスがあり世界がイレギュラーの事態になり、各国の政府はどう自国の経済を守るか考え政策行なってきました。その中で金利の引き下げは経済を動かす上で重要な政策の一つであり、大切な政策でした。アメリカがその政策をこのタイミングで転換するというのは今後の世界経済にも大きく影響を与えます。
特に日本はアメリカの経済と深く結びついていますので、必ずと言っていいほど影響があると考えられます。
段階を経て金利を上げて行くとの情報もありますので、今後の動向に注目してきたいと思います。