Contents
零細企業を経営状況把握したい場合、何をすればいいの?
企業を経営するうえで、1年に1度必ず出しておかなければならない書類があります。
それが、決算書です!
決算書はその年度でどれだけ儲けたのか、企業の状態はどうなのかを知る非常に重要な指標となります。
税理士に任せている企業も多いかと思いますので、決算書で見るべきポイントをまとめました!
この記事で分かるポイント
- 決算書の役割が分かる
- 【手早く確認したい人向け】決算書で見るべきポイント
決算書の役割について
決算書はその会社の正確な経営状況を把握するために作成されます。
税金や売上金額、固定資産や純利益など、最終的な会社の残高と1円もズレがないよう緻密に計算されます。
この決算書を見るだけで「その会社の経営状況はどうか」「1年間でどれほど利益を出したのか」「1年間でどれほど損をしたのか」全て把握でき、会社の経営には非常に重要な書類となります。
決算書を出すタイミングは、企業によって様々です。
年度末に数字を整えるので、自分の会社は何月に決算書が更新されるのか把握しておきましょう。
決算書を見れば、会社の経営状況を手早く確認できます!
決算書で見るべきポイントについて
決算書で会社の状況を把握できますが、いきなり決算書を見てもどこをみて判断すればいいか分かりませんよね。
そこで、零細企業の決算書で注目すべきポイントをお教えします!
零細企業では従業員が少なく、売上金額も1億に満たない場合が多いです。
そのため細かすぎる数字を気にする必要はありません。
決算書では、「会社の経営状況は良いのか」「1年間で利益はどれくらい出たのか」この2点をしっかり把握するようにしましょう。
そのために見るべき資料は、"貸借対照表"と"損益計算書"です。
決算書の中でも、この2つの資料を確認することで会社の状況をざっくり把握することが出来ます。
貸借対照表は企業の体調を診断できる
貸借対照表では、会社がどれくらい資産を保有していて、どれくらい投資しているかを把握することが出来ます。
会社の本質に迫れると言っても過言ではないのが、貸借対照表です。
1分で会社の状況を把握するために貸借対照表で見るべきポイントは、流動資産と流動負債 です。
この2点を確認することで、会社が短期的に健全な状態か不健全な状態か把握することが出来ます。
貸借対照表では、大きく分けて2つに分類することが出来ます。
貸借対照表では、左側と右側で役割が違います。
- 貸借対照表の左側⇒お金を何に使用しているか
- 貸借対照表の右側⇒お金をどのように調達したか
まず左と右の表の役割を理解することで、どの項目がどこに記載されているか把握することが出来ます。
そして右と左の中でも、特に注目すべき項目が"流動資産"と"流動負債"です。
流動資産や流動負債の項目は1年以内に動くお金が記載されています。
零細企業では1年間の収支状況が、会社の経営に直結するため短期的なお金の動きを、把握することが非常に重要です。
経営状況がいい例と気にすべき例を見てみましょう。
〈収支状況がいい例〉
流動資産>流動負債 (流動資産よりも流動負債が少ない)
〈収支状況を気にすべき例〉
流動資産>流動負債(流動資産よりも流動負債が多い)
この流動資産の方が流動負債よりも多い場合は、短期的に見て健全なお金の流れが出来ています。
流動的なお金の中で、マイナスを出さず借りたお金を返せている状態だからです。
しかし流動資産よりも流動負債の方が多い場合は、出ていくお金の方が多いことになるため注意が必要です。
もちろんその年に限り、支出がたまたま発生してしまった可能性もあります。
この場合は前年度の貸借対照表と比較してみてみるとより会社の状況を把握することが出来ますよ。
損益計算書は1年間のもうけを知れる
損益計算書では、1年間で最終的に企業がどれだけ儲けたのか、損をしたかを把握できます。
1年間でどれくらい売り上げたのか、売り上げるための原価はいくらかかったのか。最終的にその年は利益が出たのか、損したのか。
損益計算書は1年間の会社のお金事情が分かる資料です。
そんな損益計算書で注目すべきポイントは、下記の場所です。
零細企業では「営業利益」「当期純利益」が非常に大きなポイントとなります。
営業利益とは・・・売上金額ー売るためにかかった費用
営業利益は、売上金額から売り上げるためにかかった費用を引いて残った金額です。
零細企業では収支の総額が少ないので、営業利益が最終的な収支に大きな影響を与えます。
厳密にはその後税金等様々な費用を引いてきますが、ざっくり把握するには営業利益と最終的な金額だけで十分です。
1年間の最終的な損益については、表の最下部にある数字が示しています。
ポイント
損益計算書の最下部は2パターン
①当期純利益・・・最終的に1年間で出た利益
②当期純損失・・・最終的に1年間で出た損失
1年間で利益が出た場合は、当期純利益として記載されます。
どれほど少ない金額でもでもプラスの収支となれば当期純利益として記載されます。
しかし1年間でマイナスとなった場合、当期純損失として計上されます。
1年間の収支を瞬時に把握したい方は、損益計算書の最下部を見るといいでしょう。
損益計算書では、1年間の利益に焦点をあて会社の状況を読み取ることが出来るのです。
1年という短期で見る場合は、貸借対照表よりも損益計算書が適してます!
零細企業の決算書は大企業よりも単純
零細企業の決算書を見る際に私がお伝えしたいことは、「大企業の決算書よりも単純」だという点です!
数字が羅列し難しそうですが、ポイントを押さえて苦手意識をなくしてしまいましょう。
零細企業の決算書が大企業よりも単純な理由は、金額が少ないからです!
従業員や資本金が少ないので、もちろん売り上げや支出の金額も少なくなります。
その分会社の状況はどうなのか、どこにお金がかかってしまったいるのか を瞬時に知ることが出来ます。
決算書は会社が出す1年の総括であり、銀行や国にも提出する正式な資料なのでぜひ活用してください!
まとめ
零細企業の決算書の読み方について、お話ししました!
家族経営の会社を継ぐ際や会社の経営を見直す立場になった場合、決算書は非常に重要な資料です。
決算書の中でも特に、「貸借対照表」と「損益計算書」にしっかり目を通してください。
大きなお金の流れや、会社の状況を読み取ることができますよ!