2017年出版 三條慶八さん著の「1000人の経営者を救ってきたコンサルタントが教える 社長の基本」のレビューです!
題名 :1000人の経営者を救ってきたコンサルタントが教える 社長の基本
副題 :会社をつぶさずに安定経営をするための原理原則
著者 :三條慶八
出版社:かんき出版
出版日:2017年12月
ページ:224ページ
1分で分かる本の内容について
三條さんは負債を140億負った会社を自力で再生し、立て直した経歴があります。
その経験をもとに中小企業に対し経営のコンサルタントをしており、本書では経営のノウハウを詰め込んでいます。
自らが社長職を経験し会社を立て直した実績だけでなく、数多くの中小企業をコンサルタントをしているため事例が豊富です。
一般的な経営ノウハウ本ではなく、三條さんの経験則に基づいた経営の仕方が記載されています。
ポイント
実際に相談に来た中小企業経営者がどのような施策をすることで、成功したのか、失敗したのかをケーススタディとして学ぶことも出来ます。
三條さんは経営には絶対の自信があるようで、口調は厳しめであります。
見方によっては少し腹が立ってしまうような(笑)部分もありますが、頭でっかちではない等身大の経営者を語っているためご自身が経営で悩んでいるときにはいい刺激になると思います。
また140億円の負債を返済した方法の1つとして、金融機関との駆け引きも重要だと著者は説いています。
資金源がなければもちろん経営を行うことが出来ず、金融機関からの融資は非常に重要なのは言うまでもありません。
その金融機関とのやり取りについても、コツが必要です。
金融機関に対してへりくだりすぎるのも良くないし、高圧的に対応するのももちろんよくありません。
大切なのは"金融機関と対等"であることであり、お互いが尊重しあって取引するという点です。
借りる場合や返済について、返済の期間を延長する際にもポイントがあります。
金融機関との具体的な駆け引きの方法を知れる点も、本書の魅力の1つです。
本を読む所要時間目安
本を読む目安時間
- 読むスピードが早い人:2時間〜3時間
- 読むスピードが標準な人:3時間〜4時間
- 読むスピードがゆっくりな人:4時間〜5時間
こんな方にオススメの1冊
《こんな方にオススメ》
・経営についての心構えを知りたい方
・金融機関との付き合い方、資金の借り入れの仕方を学びたい方
・中小企業経営におけるケーススタディを学びたい方
本書は経営の基礎知識を学べるものではありません。
経営の基礎知識を持っていることが前提で、三條さん(著者)の経験を基に行き詰った時の打開策が記載されています。
三條さんは実際に会社を経営し大震災で発生した巨額の負債を、自分で返した実績があります。
負債を返済するために行った方法や、中小企業のコンサルティングをした経験を知りたい方は是非読むことをオススメします。
また第1章では、経営者としての心構えを説いています。
- 「経営者とはどのようなスタンスや気持ちで会社を経営するべきなのか。」
- 「自分の人生を捧げ、いざとなれば全てを失う覚悟を持って会社について考えているか。」
これから会社を起業しようとしている方や、会社を継ぐ方には経営者としての心構えを見直すことが出来るでしょう。
この本を通して学べる事・関戸 凛(管理人)の個人的感想
本書では金融機関とのやり取りの仕方や、数ある中小企業がどのように苦難を乗り越えていったかの事例が多く挙げられています。
しかし個人的に本書で心が動いたのは、考え方の部分でしたので紹介したいと思います。
経営についてではないですが、自分には耳の痛い話だったので、是非参考にしてみてください。
《心に響いた言葉》
「優れた経営者とは、諦めない人の事」
引用:社長の基本
経営に行き詰りどうすればいいか分からない人たちが、著者の元へ多く駆けつけています。
1000人以上の経営者を見て、三條さんは多くのアドバイスをしてきました。
その中で個人的に心を動かされたのは、「行き詰ったタイミングでなぜ新しい施策をしないのか、不思議でしょうがない」という言葉です。
中小企業の経営者は「どうしようもない、破産の道しかない、会社を畳むしかない」と考え、藁にも縋る思いで経営コンサルタントである三條さんのもとへ駆けつけます。
しかし多くの実績を上げている三條さんでも、確実に会社を立て直す方法なんて知らないのです。
正しくは立て直す可能性がある方法を知っていても、必ず成功する立て直しの方法はやってみないと分からない ということです。
自分も「もうこれ以上何もできることはない」と考え、辞めてしまったことや諦めてしまったことがいくつもありました。
どんな方法をとっても改善せず、成果が出ず。。 あなたの人生の中でもそのようなことは多くあると思います。
しかし「もう何もできることはない」と事業を畳むことは簡単ですが、何かをし続けることでしか成功する方法はないのです。
だからこそ本書で三條さんは行き詰った経営者に対して、「これはどうですか?」「この方法は検討しましたか?」と粘り強く問いかけているのが印象的でした。
それに対して諦めてしまっている経営者は「無理です」「それはうまくいきません」と発言してしまうのですが、ここに大きなヒントが隠されている気がしました。
どんな会社でもどんな経営者でも、行き詰ることは必ずあります。
その時にどれだけ諦めずに新しい施策を考え続け、実行し続けるかが成功するかしないかの違いのかなと思いました。
だからこそ、「優れた経営者とは、諦めない人の事だ」という言葉が心に刺さりました。
かくいう私もすぐだめだとか、新しいことを始めては成果が出る前に辞めてしまうことが多いので。。(笑)
「新しいことをやり続けうまくいったものを育てていく、その忍耐強さを自分も身に着けたいな」そう思わせてくれるような1冊でした!
まとめ
今回は『1000人の経営者を救ってきたコンサルタントが教える 社長の基本』について見てきました!
自分は大きな経営なんてしたことがないので、金融機関との駆け引きや具体的な経営打開策はとても参考になりましたがすぐには使えません。
しかしその心構えや考え方というのは、自分の人生にとても活かせる気がしました。
経営者は会社を自分で動かし決断しなければなりませんが、私たちも見方を変えれば経営者なのです!
つまり自分という会社を経営する世界でたった一人の『自分会社社長』なのです!
そう考えると、他人事とは思えず。。。。
やりたいこと、夢に向かて諦めずに頑張ろうという気持ちにさせてくれる1冊です。
気になる方は是非手に取ってみてください!