2016年出版 竹田 陽一、栢野 克己さん著の「小さな会社★儲けのルール」のレビューです!
題名 :小さな会社★儲けのルール
副題 :ランチェスター経営 7つの成功戦略
著者 :竹田 陽一、栢野 克己
出版社:フォレスト出版
出版日:2016年7月
ページ:295ページ
1分で分かる本の内容について
過去12万冊売れたベストセラーであり、中小企業向けの経営本です。
著者である栢野(かやの)さんは株式会社東京商工リサーチで倒産企業を数多く調査し、その知見を活かして中小企業をアドバイスする職を始めました。
実績は1,000社以上であり、その経験から中小企業が生き残るための必勝ルールを記しています。
本の内容は一貫して弱者(中小企業)がいかにして生き残るかの戦略について、知ることが出来ます。
大企業の広告の出し方や商品戦略を同じように中小企業が行った場合、うまくいくはずがありません。
大企業が手を出したがらないオーダーメイドのような手のかかる商品やサービス、領域にこそ中小企業または零細企業が生き残るカギが落ちています。
他の中小企業が具体的にどのようなサービスを展開して資金難や窮地を脱したのか、具体的な事例と共に紹介しています。
また当初は「ランチェスター経営」の考え方を基に作成されており、ランチェスター戦略を詳しく知ることが出来ます。
《ランチェスター経営とは》
経営のやり方に大きな革新を加えた、もっとも実践的な中小企業用の経営戦略!
武器性能が同じであれば、必ず兵力数が多い方が勝つという法則を経営に当てはめています。
ラインチェスター戦略は2つの公式で成り立っています
・攻撃力=兵力数×武器性能(質)
・兵力数2乗×武器性能(質)
ランチェスターの法則の元、中小企業の勝ちパターンを記しています。
本を読む所要時間目安
本を読む目安時間
- 読むスピードが早い人:2時間〜3時間
- 読むスピードが標準な人:3時間〜4時間
- 読むスピードがゆっくりな人:4時間〜5時間
こんな方にオススメの1冊
《こんな方にオススメ》
・中小企業、零細企業の実践的な戦略について知りたい方
・ユニークな文章で、くすると笑いながら経営について学びたい方
・ランチェスター経営について、具体的な事例を基に知識を得たい方
大企業、例えばAmazonやApple、トヨタなどの戦略を知りたい方はこの本を読むべきではありません。
中小企業や零細企業の経営者やこれから起業をしたいと考えている人、経営を基礎から学びたいという人にオススメの一冊です。
またこの著者栢野(かやの)さんはとてもユニークであり、表現が豊かです。(毒舌でもあります笑)
だからこそ飽きずに読み進められることが出来、話も理解しやすいです。
中小企業や零細企業に絞った経営の基礎知識から、商品、エリア、客層、時間まで様々な視点から戦略を学ぶことが出来ます。
成功している中小企業だけでなく、衰退していった中小企業の例も多く紹介されている点が魅力です。
この本を通して学べる事
個人的にめちゃくちゃ「なるほど!」と思った場面を2つほど紹介します。
経営についてではないですが、自分には耳の痛い話だったので、是非参考にしてみてください。
《パレードの法則》
100人中3位以下は大したことがない。
パレードの法則によると、全体の人数が多くても実際に成果を出したり組織を引っ張っているのは上位数%の人材だけである。
成績が真ん中だと平均なのではなく下の下。経済的な実力では番外に含まれてしまう。
完全歩合制の営業マンが100人いた場合、上位20人が売り上げの75%を占める。
そして上位10人で売り上げの50%を占める。
つまり順位が10位の人で、経済的な実力は真ん中くらい。
40位以下の人は下の下という実力になってしまう。
これには自分も目から鱗でした。
会社という組織に属していると分かりませんが、実際に1人で社会に出てみるとこのような順番なんだなというのが分かりました。
だからこそ1人で何か事業や成し遂げたい夢をしようとした場合、会社の中で何番目ではなく実力はどれくらいかを認識する事が始まりなのかもしれません。
《栢野さんの法則》
y=ax2乗+b
夢や目標=才能×時間(努力)2乗+自分がもっているもの
もう少し詳しく書くと…
- y=夢や目標=求めているもの、達成したい事
- a=才能=生まれ持って備えている能力
- x=時間(努力)=この法則の中で唯一自分で数字を変える事が出来る場所
- b=貯蓄や親の財産や不動産
これは著者である栢野さんが示した法則です。
自分がとても感銘を受けたので紹介します。
先ほどのパレードの法則によると、100人中上位3人の天才以外は凡人によって構成されているとのことでした。
つまりaの才能はあまり期待できません。(もちろん天才の方は例外ですが。。。)
そしてbについては不動産や親の事業継承などであり、ほとんどの人はこちらもあまり期待できないのではないでしょうか。
そんな自分がyの何かを成し遂げたいと考えた時、どうにか出来るのがxです。
xでは努力を表し、目標に対して使った時間を当てはめます。
時間は天才でも凡人でも等しく与えられており、自分次第でxはどこまでも大きくする事ができます。
この時間について栢野さんはかなりシビアな見解を持っており、「成功するためには長時間労働をすべし!」と現代の流れとは真逆の考え方を話しています。
エジソンや本田自動車の初代社長である本田宗一郎さん、京セラの初代社長である稲森和夫さんなどは全員長時間労働でした。
休日や祝日も働き朝は7時には会社にいる生活を何十年も続けてきたからこそ、あそこまで事業は大きくなったのだと。
この考え方は賛否あると思いますが、時間は考え方によっては才能をひっくり返せるほどの力を持っているため、なんだか勇気が出る話だなと自分は感じました。
関戸 凛(管理人)の個人的感想
この本では零細企業・中小企業の経営に絞った話をしているので、立場が似ている人はとても勉強になると思います。
経営者の立場でないと自分の状況と比べることが出来ないので、少し宙に浮いてしまう可能性はあると思います。
しかし前節でも述べました、パレードの法則やy=ax2+bなどは自分事に置き換えやすいので頭にスッと入ってきました。
パレードの法則などの話は、最後の章である『儲けのルール7 成功するためには長時間労働が不可欠』に記載されています。
ここは経営の具体的な話ではなく、心構えや考え方について書かれています。
かなり辛口に書いてありますが、納得できる内容なのでムチを叩かれているような感覚になります。
これによって勇気や、やる気が湧いてくるので最後の章だけでも読んでみることをオススメします!
まとめ
今回は竹田・栢野著である『小さな会社★儲けのルール』のレビューを記載してきました。
零細企業や中小企業の経営者・これから起業したいと考えている方にぴったりの一冊です。
また今の現状を変えたいと考えている方にとっては耳が痛い話も多く、いい刺激になると思います。
興味がある方は是非手に取ってみてください。